SEO という言葉は、Web に詳しくない人でも、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
言葉は知っているけど、内容は全く知らない。
昔の私のように、ざっくりとした概要は知っているけど具体的な内容は知らない、けど職場で今さら聞けない!と思っている方。
SEO を基礎からちゃんと学びたいという方。
この記事は、そんな方を対象に、SEO に関する基礎的な内容を解説しています。
そもそも SEO とは? 意味は?
大体、どこのサイトでも紹介していますが、SEO と言う言葉は「Search Engine Optimization」の略。
「Search Engine」とは、Google や Yahoo!、Bing といった検索エンジン。
「Optimization」とは、最適化を意味する言葉です。
なので、SEO 対策とは、直訳すると検索エンジン最適化対策ということになります。
「最適化?なんのこっちゃ?」
そりゃそうです。
何をどうすれば最適なのか、この言葉だけではさっぱり分かりません。
ざっくり言うと、Google や Yahoo・Bing など
検索エンジンの自然検索(オーガニック検索)の結果で上位表示されるために行う、様々な施策やその取り組みの事を指します。
後で詳しく説明しますので、ここでは「検索結果の順位を上げるために行う対策やその取り組みの事を SEO 対策と呼ぶ」とだけ、覚えておいてください。
何故、SEO 対策が必要だと言われるのか?
検索結果 7 位以内に入らないと意味が無い
当たり前ですが、検索結果の上位に表示されないとクリックされず、サイトを見てもらえません。
もちろん、順位が下がれば下がる程、クリック率も下がり、折角、サイトを作っても見てもらえません。
それを、具体的に数字で示した調査結果があります。
これは、アメリカで Web マーケティングを行っているNINJAS社が、3 か月間で 400 万回以上クリックされた 2 万個の検索キーワードを分析し、検索結果の順位とクリック率に関して調査した結果です。
左から順に 1 位 ~ 20 位まで記載されています。
見てもらえれば分かる通り、検索結果の順位 1 位で、クリック率は約 21%、2 位約 10%、3位約 7.5% と次第に下がり、8 位以降は 1% 台となっています。
つまり、月に 10 万回検索されるキーワードでも、8 位以下なら ひと月に 1000PV、1 日 33PV ほどしかありません!
勘違いして欲しくないのは、この数値は、あくまでそのサイトを見られた回数が、33 回という事。
業界によって違いはありますが、一般的な EC サイトであれば、コンバージョン率(購入率)は 2 ~ 3% が目安と言われています。
つまり、1 日の注文件数は 0 ~ 1 件!
当たり前ですが、1 位に表示されれば、単純計算で 20 件/日、600 件/月の成約という事になります。
この数字を見れば、検索エンジンで上位に表示されることが、どれだけ重要なのか分かって頂けたのではないでしょうか?
どの検索エンジンに対して SEO 対策をすれば良いのか?
検索結果のランキング要因、評価している項目や重み付けは、検索エンジンによって違います。
そして、検索エンジンには、Google・Yahoo!・Bing などあり、すべての検索エンジンに SEO 対策をするには、コストや時間がかかります。
では、どの検索エンジンに対応すれば、費用対効果が良いのか?
Google のみ SEO 対策する!
この一択です。
詳しい理由については、「SEO 対策で Google が重要視される理由」をご覧ください。
SEO 対策って、具体的に何をすればいいの?
「内部対策」と「外部対策」
SEO 対策は、大きく分けると、「内部対策」「外部対策」と呼ばれる二つの対策方法があります。
- 自身が運営しているサイトに対して行う様々な対策の事
- 被リンクと呼ばれる別のサイトからリンクをしてもらう事で評価を上げる対策の事
この二つの対策を適切に行う事で、検索エンジンから評価され、検索結果の上位に表示されます。
「具体的に、どうすればいいのか?」
この問いに完全な回答をできる人は、世界中どこにもいません。
Google シニア・サーチ・サイエンティストの Greg Corrado(グレッグ・コラード)氏が、
Google は数百もあると言われるアルゴリズムで検索ランキングを決定しています。
引用:AI ベースの新アルゴリズム「RankBrain」を Google が導入済み、SEO はどう対応すべきか? – 海外 SEO 情報ブログ
と、言われている通り、Google が使用している検索アルゴリズム(評価項目)は、非常に数が多い。
また、Google の Gary Illyes(ゲイリー・イリェーシュ)氏が、
「Google は平均して1日に2回のアップデートを実行している」
引用:GoogleのゲイリーがSEOの質問に答えた――Fredアップデート、ランキング要因の順番、titleタグ書き換えなど #StateofSearch 2017 – 海外 SEO 情報ブログ
と発言されている通り、日々進化を続けています。
Google の担当者でさえ全体を把握している訳では無い。
なので、社外の人間が、そのすべてを知っている訳がありません。
つまり、正確な SEO 対策は誰も知らない!
その結果、SEO 対策に関する情報を紹介しているサイトや書籍によって記載されている内容の違う項目。
「SEO に関する様々な噂を徹底調査!」でも紹介している通り、噂話や嘘か真か分からない情報がネット上に溢れている訳です。
しかし、実際に、評価する項目や重み付けは存在します。
でないと順位付けできませんから。
SEO 対策の基本
Google では、SEO 対策の基本となる資料を、無料で公開しています。
正しいかどうかも分からない SEO 対策方法を掲載しているサイトや書籍を買って読むのと、Google が紹介している資料を読む。
どちらが得か、どちらが今後の為になるかは、誰の目から見ても明らかでしょう。
このガイドラインを読めば、ある程度、評価している項目についても分かってもらえると思います。
Google が公表している SEO に関するガイドライン
検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド
Web サイト管理者向けの SEO を学ぶ上で、最も基本的な資料です。
すべて理解するには HTML など少し技術的な基礎知識が必要ですが、SEO 対策の基礎的な事が記載されています。
分かりやすく作ってあるので、これからサイトやブログを始めようと思っている方は、時間があるときに、一度は目を通しておきましょう!
「そんな時間は無い!」って方のためには、Google Webmaster Tools(サイトの最適化)という一枚にまとめられた PDF の資料があります。
但し、あまりにもざっくりしすぎていて、概要の理解や簡単な説明資料みたいなものには使えると思いますが、あまり役立つとは思えません。
おそらくこのサイトを見ている方が、満足する資料では無いと思います。
ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)
品質に関するガイドで、一般的な偽装行為や不正行為について説明されています。
それ程、ボリュームもありませんし、この資料も SEO 対策を考える前に、読んでおくことをおすすめします。

検索品質評価ガイドライン
上記、ガイドライン以外に、Google では検索品質評価ガイドラインという SEO 対策の資料を公開しています。
検索品質評価ガイドラインは、他のガイドラインより具体的に記載してあります。
しかし、どちらかと言うと専門家向けの資料で、160 ページもあり、公式では英語版しかありません。
英語の苦手な方は、私訳ですが、東証二部に上場している株式会社アイレップが日本語訳した資料を公開しています。
Google 検索品質評価ガイドライン 詳解 – アイレップ社 私訳
SEO 対策を専門にやろうと思っている方は読むべきだと思いますが、かなりハードルは高いですね。
Google が大事にしている SEO で最も重要な事とは?
Google が掲げる 10 の事実
上記、ガイドラインでも一貫して言われている事が、「Google が掲げる 10 の事実」という Google の社是のような資料の 1 番最初に書いてあります。
1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
Google は、当初からユーザーの利便性を第一に考えています。
新しいウェブブラウザを開発するときも、トップページの外観に手を加えるときも、Google 内部の目標や収益ではなく、ユーザーを最も重視してきました。
大事な事、それは、ユーザーファースト!
何処かの政党のマニファクトみたいですね・・・
そもそも、Google や Yahoo といった検索エンジンは、インターネット上に星の数ほどあるサイトの中で、ユーザーが探している有益な情報が見つかるように手助けしている無料のツールにすぎません。
そして、検索エンジンを運用している Google や Yahoo・Bing(マイクロソフト)は慈善団体ではなく会社です。
なので、当たり前ですが、利益を上げる事を目的としています。
利益をあげる為には、ユーザーに使ってもらえなければ商売になりませんし、ユーザーに便利だと思ってもらえないと継続して使ってもらえません
ガイドラインでも、以下の通り、明確に記載されています。
サイトの最適化はユーザーのニーズに応えるために行ってください。
検索エンジンはユーザーの 1 つであり、他のユーザーがコンテンツを見つけるのに役立っています。
検索エンジン最適化は、検索エンジンがコンテンツを理解して提示するのを助けるためのものです。
つまり、検索エンジンを使うユーザーのニーズに応え、便利で分かりやすいサイトを作るという事が最も大事で、最も効果のある SEO 対策という事です。
そして、ユーザーにとって分かりやすく利便性の高いサイトを作るという事は、成約率にも直結します。
ユーザーにとって便利なサイト
検索エンジンを使っている人は、何かを探していたり、興味のある事について詳しく知りたいなど、それぞれ目的を持って使っているはずです。
なので、ユーザーの目的を果たせるサイトである必要があります。
しかし、それだけではユーザーにとって、使いやすいとはいえません。
ユーザーにとって利便性の高いサイトでないという事は、検索エンジンにも評価してもらえないばかりか、成約にも結びつきにくくなります。
キッチンの便利グッズを紹介しているサイトを例に説明したいと思います。
便利グッズの画像と名前が羅列されている A というサイト。
そのグッズの使い方や使ってみた感想、買えるところまで記載された B というサイト。
どちらがユーザーにとって便利でしょうか?
全ての方が B だと思うでしょう。
つまり、重要な一つ目のポイントはコンテンツの充実度!
最近では、この事をコンテンツの質が重要と言われたりしています。
コンテンツの重要さは、以下の記事を読んでもらえれば、更に分かってもらえると思います。

ユーザーにとって分かりやすいサイト
母の日のプレゼントを探している方が検索エンジンを使っているとしましょう。
「母の日に人気のプレゼントは何なのか?」
「他の人はどんなプレゼントをしているのか?」
のようなことを期待して、検索していると思います。
この場合、カーネーションの画像だけが貼ってあるような知りたい情報が無いサイト。
人気の商品は載っているけど、学術論文みたいに文字ばかり書いてあるサイト。
分かりやすいでしょうか?
この例はちょっと極論すぎますが、何が言いたいかというと
適度に画像が掲載されていたり、読みやすい文字サイズだったり、適切な文章量など使う側に立って考えましょうということです。
折角、HP やブログを作っても見てもらえなければ、無駄なコストや労力がかかるだけですから。
しかし、分かりやすさというのは、人によって感じ方が違うので、この問題を完全に解決するのは非常に難しいです。
SEO 対策を考える前に、まず・・・
いくらお金や時間をかけて分かりやすく便利なサイトを作っても、検索エンジンに認識してもらえなけば意味がありません。
当たり前ですが、検索エンジンにちゃんと理解してもらう事が大前提!
検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド・ウェブマスター向けガイドライン共に、
一番初めに、Google がコンテンツを見つけられるようにするという項目があり、検索エンジンに理解されやすいようにする方法が記載されています。
検索エンジンにサイトの存在を認識してもらった上で、ユーザーにとって分かりやすく利便性の高いサイトを運営する。
そうすることで、SEO 対策を最大限に活かした効果が得られるということです。
なので、サイトの存在を Google に知らせる事が出来る Google Search Console(サーチコンソール)は、必ず登録しておきましょう。
【まとめ】SEO 対策とは?
- SEO とは「Search Engine Optimization」(検索エンジン最適化)の略
- SEO 対策とは、検索エンジンの自然検索(オーガニック検索)の結果で上位表示されるために行う、様々な施策や取り組みの事
- 対策する検索エンジンは、Google だけでも十分に効果が見込める
- 一番最初にすべき対策は、検索エンジンに認識してもらえるようにすること
- SEO 対策で最も重要な事は、検索エンジンを使うユーザーのニーズに応えた有益な情報を分かりやすく、そして、使いやすいサイトを運営すること
Google や、Yahoo!、Bing も一般的な企業と同じで、利益を出さなければいけません。
その為に、ユーザーを大事にしています。
SEO 対策には、様々な項目がありますが、最も重要な対策。
それは、検索エンジンを使うユーザーのニーズに応えた有益な情報を分かりやすく、そして、利便性にも優れたサイトを運営するということ。
実際に、Google の金谷氏も、以下の記事で、同じような回答をされています。

ここで思い出して欲しいのが、冒頭に出てきた最適化という言葉。
これは、検索エンジンに対しての最適化だけでなく、検索エンジンを使うユーザーに対しての最適化という二つの意味があるのだと思います。
ユーザーファーストを念頭に置いて、このガイドラインに記載されている事だけでも対応出来ていれば、かなり良い結果が生まれると思いますよ。(もちろん、キーワードにもよりますが・・・)

【備考】
SEO 対策を専門に扱う会社は何してるの?
SEO 対策を専門に扱う会社では、Google が公表している内容や技術的な課題解決はもちろんですが、
今までクライアントや自社のサイトを対応してきて得た経験やノウハウ、検索結果の上位に表示されているサイトなどを分析することで、独自に導き出した上昇傾向の強い対策を行っています。
Google が公表している内容を対応できていないサイトが多いですし、外部の人が客観的に分析する事で、今までに見つからなかった課題を洗い出すこともできます。
検索エンジン最適化(SEO)スターターガイドにも「SEO の専門家が必要かどうか検討する」という項目があり、サイトの改善や時間の節約につながる可能性があると紹介されています。
また、SEO が必要なケースという、SEO 業者を採用するかどうかの判断に役立つ資料も公開されていますので、外注しようか迷われている方は見てみてはいかがでしょうか。
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